逆流性食道炎とは、胃酸や十二指腸液が食道に逆流する事で起きる食道の炎症性疾患です。現在日本では患者数が増加傾向にあります。原因にはさまざまなものがありますが、まずはストレスによる胃酸の分泌過多が考えられます。またストレスは食道の胃酸に対する感受性を高めるため、逆流した胃酸に過敏に反応してしまいます。食べ過ぎや冷たい飲み物の摂り過ぎも胃のバランスを失わせ、胃酸が過剰に分泌された状態になります。その他の原因としては、肥満や便秘により腹圧が上昇し、胃に対する圧迫が増していることや、加齢により食道下部括約筋の筋力が低下し、胃酸の逆流を防げなくなっている事が考えられます。このほか、ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因となる菌ですが、胃酸を中和する性質があり、近年ピロリ菌の感染者数が減少したことも、逆流性食道炎が増加している原因の一つではないかと考えられています。
主な症状には胸焼け、胸部の不快感、喉の痛み、喉の詰まり、咳、腹部の張り、嘔吐などがあります。
予防として先ず重要なのは食生活の改善です。脂肪分やタンパク質は消化に時間がかかり胃酸の分泌が増すので食べ過ぎないように注意しましょう。またレモンやみかん等の酸味の強い食べ物や、唐辛子や胡椒等の刺激物も控えましょう。コーヒーや緑茶に含まれるカフェインも胃酸の分泌を促進させるので控えたほうがいいでしょう。またアルコールは胃酸の分泌を増加させると同時に食道下部括約筋を弛緩させるので摂取量を抑えましょう。日常の姿勢も重要です。普段から前かがみにならないよう気をつけるほか、食後3時間は胃の内容物が逆流しやすいので、食べてすぐ横になることはやめましょう。また睡眠時は上半身をやや高くすることで、胃酸の逆流を抑える事ができます。
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